《第18問》
トルコ語では、名詞や形容詞がそのまま文の述語になることができます。次の例をご覧ください。
Japon 日本人 Ben Japonum. 「私は日本人です」
Türk トルコ人 Ben Türküm. 「私はトルコ人です」
öğrenci 学生、生徒 Ben öğrenciyim. 「私は学生です」
şarkıcı 歌手 Ben şarkıcıyım. 「私は歌手です」
ではここで問題です。上の例、またこれまでの問題、その解説を参考にして、次の語の正しい形を予測してください。
iyi よい、元気な Ben ( ).「私は元気です」
正解
不正解
- iyiyim
- iyim
- iyiyüm
- iyiyim
- iyim
- iyiyüm
- 解説
-
正解は、 a) iyiyim です。
問題文の各例のうち、下線部分が「私は…です」(専門的に言えば、「1人称単数」を表す、とも言います)という意味を表すということに気づいたでしょうか。文頭のBenも「私は」という意味を表しますが、トルコ語ではこの文頭の代名詞を使うだけでは不十分で、むしろ述語の部分に、「私は(…です)」を表す語尾が必要となります。逆に、文頭の代名詞のほうが省略されることがあります。
Japon 日本人 (Ben) Japonum. 「私は日本人です」
Türk トルコ人 (Ben) Türküm. 「私はトルコ人です」
öğrenci 学生、生徒 (Ben) öğrenciyim.「私は学生です」
şarkıcı 歌手 (Ben) şarkıcıyım. 「私は歌手です」
ということで、「私は(…です)」を表す部分に注目します。um, üm...と母音は変化していますが、この変化の法則はこれまでの問題で見てきたように、母音調和の原則に従ったものになっています。問題は、yim, yım...のように、yが述語と語尾の間に入れられる場合です。いつ、こうなるのでしょうか。すぐに理解したあなたは鋭いです(たぶん)。例を見てわかることに、述語となる名詞や形容詞の語末が母音のとき、この「私は…」の語尾をそのまま入れてしまうと、結果的に二重母音が発生してしまうことになります。トルコ語ではこのような二重母音ができることをできるだけ避ける傾向があり、yが挿入されるのはそれを防ぐためだと覚えておくとよいと思います。
ちなみに、このような述語で人称を表す語尾はもちろん日本語にはありませんので、トルコ語を学習する際にはこのあたりの特徴に慣れておく必要があります。他の人称を表す語尾については、次問以降で。