《第14問》
ここからは、いよいよトルコ語の文法がテーマとなっていきます。
次の例をご覧ください。
çocuk 子ども çocuklar 子どもたち
kedi 猫 kediler 猫たち
baba 父 babalar 父たち
gül バラ(花) güller (複数の)バラ
では、次の語の複数をあらわす語形はどうなるでしょうか。
yol 道 ( ) (複数の)道
正解
不正解
- yollar
- yoller
- yollor
- yollar
- yoller
- yollor
- 解説
-
正解は、 a) yollarです。
問題のいずれの例も名詞(典型的には事物や人物を表す語)で、それらの語にler, またはlarという接尾辞をつけることで、その名詞で表される事物が複数存在することを表します。問題はler, larのどちらが選ばれるかなのですが、それには接尾辞が付けられるすぐ前の母音が何かによって決まります。
トルコ語の母音は8種、そのうち以下のようなグループ分けがありました。
前舌母音: e, i, ö, ü
後舌母音: a, ı, o, u
これを参照しつつ、問題の例を見てみましょう。
çocuk 子ども çocuklar
(uは後舌母音、したがって同じグループのaを含むlarが選ばれます)
kedi 猫 kediler
(iは前舌母音、したがってやはり同じグループのeを含むlerが選ばれます)
baba 父 babalar
(aはもちろん後舌母音なので、larが選ばれます)
gül バラ(花) güller
(üは前舌母音なので、lerが選ばれます)
となっているわけです。そして問題になっている語はyolで、母音はoですね。oは後舌母音ですから、同じく後舌母音のaが含まれるlarが付加されて複数形ができあがるというわけです。b)はもちろん不正解、またこのタイプの複数形はlerかlarどちらかの接辞形式しかありませんから、c)のような語形はトルコ語では適切ではありません。