リベラルアーツ日本語検定クイズ日本語とトルコ語 > 2020年03月16日更新分(1/1)

《第5問》
トルコ語の母音は基本的に8つで、それぞれラテン文字アルファベットで個別に表示されます。さて、母音8文字はある基準によって、

(1) A (a), U (u), O (o), I (i)
(2) E (i), İ (i), Ö (ö), Ü (ü)

と、2つのグループにわけることができます。その基準とは次のうちどれでしょうか?

正解

不正解

解説

正解は a) 発音するときに、舌の盛り上がる位置が前よりか後ろ寄りかです。

さて、本問からはいよいよ具体的なトルコ語の問題に入っていきましょう。すでにトルコ語では8種の母音に対応するアルファベットがあることを確認しました。トルコ語を学習していくと、様々なところで母音がグループを形成しており、その「グループ」という分け方が重要なことに気づきます。
どのように母音がグループを構成するかは基準によって変わるのですが、本問の基準はその中でも特に重要な基準の一つです。実際にこれらの母音を舌の形に注意しながら発音すると、舌の盛り上がる(口の上の方に舌がもっとも近づく部分)位置が、問題文の(1)の4つでは前寄り、(2)のほうではやや真ん中より、または後ろ寄りになります。トルコ語では1つの語の中の母音を、できるだけ同じグループの母音で形成しようとする傾向があります。このグループ分けを理解する必要があるのはそのためなのです。なお、詳しい解説、母音の実際の発音のサンプルが以下の東京外国語大学言語モジュール(トルコ語)にありますので、参考にしてください。

http://www.coelang.tufs.ac.jp/mt/tr/pmod2/3-2-2/index.html

その他の解答候補のうち、b) 発音するときに、声帯が震えるか震えないか は、いわゆる有声音と無声音を区別する基準(この基準では、(1)(2)はすべて母音で、どれも声帯が震える音です)、c) 発音するときに息を吸い込むか、それとも吐き出すかは少なくともトルコ語では関係のない基準です(ただし世界の言語の中には、このc)の基準が重要なものもあります。興味がある人は、ぜひ「音声学」の世界へ!)

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