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すべての問題にチャレンジ!(7/80) | ロミオとジュリエット | リベラルアーツ英語検定クイズ

リベラルアーツ英語検定クイズロミオとジュリエット > すべての問題にチャレンジ!(7/80)

《第7問》
 『ロミオとジュリエット』の初演が行われていた頃、この芝居の所有権を有していたのは誰か?

正解

不正解

解説

芝居作者達は、劇団からの依頼をうけて芝居を書き下ろし(あるいは場合によっては他の劇作家が書き 下ろしたものに筆を入れ)、その労働に対して支払われる賃金を受け取った。芝居の所有権を有していたのはあくまでも劇団であった。

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現代でいう著作権(copy right)の考えはシェイクスピア時代にはなかった。芝居作者達は、劇団からの依頼をうけて芝居を書き下ろし(あるいは場合によっては他の劇作家が書き 下ろしたものに筆を入れ)、その労働に対して支払われる賃金を受け取った。芝居の所有権を有していたのはあくまでも劇団であったので、芝居の興行成績がよ くても、作者がその儲けに見合った金額を受け取ることはなかった。他方、芝居の草稿を買い取った劇団は、その草稿に自由に手を加え、プロンプト・ブック (prompt book)と称される上演用台本を作ったと考えられている。それが著作権侵害にはあたらなかった。

『ヘンリー六世』の三部作、 『リチャード三世』、『タイタス・アンドロニカス』の執筆に関っていた1591年から1592年頃は、当時はまだ劇団の株主でも正式な構成メンバーでもな かったシェイクスピアは、数多の芝居作者達と同じように、本文の執筆に関与しつつも原稿を自分で所有する権利はなかったし、自分の原稿を寝かせておくこと もおそらくしなかった。彼が書いた――より正確に言えば、彼が執筆に関与したと考えられている――初期の芝居本は、ある劇団から別の劇団へとその所有者が 譲渡されることもあったし、そういうときにはおそらく、新たに所有者となった劇団が、自分たちの都合で台本に自由に筆を入れたと考えられる。一方、『ロミ オとジュリエット』のように、シェイクスピアが劇団株主となった1594年以降に書かれた芝居に関していうと、状況はそれまでとは異なり、シェイクスピア はその作者であり、同時に所有権を有する一人であったといえる。したがって、『ロミオとジュリエット』についていえば、シェイクスピアは、執筆に際してあ る程度の支配権を有していただろうし、また、原稿が劇団の手に渡ってからも、その本文改変のプロセスに関ることができたであろう。初期の芝居に比べて『ロ ミオとジュリエット』やそれ以降に書かれた芝居に、もし文学作品としての統一性、ないしは作家の個性のようなものがより濃く窺えるとすれば、それは、作者 シェイクスピアの作品との関り方の変化を反映していると考えられる。

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