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すべての問題にチャレンジ!(16/80) | ロミオとジュリエット | リベラルアーツ英語検定クイズ

リベラルアーツ英語検定クイズロミオとジュリエット > すべての問題にチャレンジ!(16/80)

《第16問》
第一幕第一場で剣を抜いてないと考えられる人物はどれか?

正解

不正解

解説

キャピュレットの登場を示すト書きには、「部屋着姿の老キャピュレット...登場」とあり、舞台に登場したキャピュレットは、(夫人もしくは召使に)「わしの長剣を持ってこい」という。しかし、夫人は、「杖ですよ、杖! 剣なんかどうなさるの?」という。つまり、舞台に登場してきた時点では、キャピュレットには剣を抜いて闘う意志はなかったことが示唆されている。

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a)ベンヴォーリオは、剣を抜いて召使たちの喧嘩を止めようとする。b)ティボルトは、ベンヴォーリオが剣を抜いたことを口実として剣を抜き、「おい、腰抜け相手に剣を抜くのか? こっちを向け、ベンヴォーリオ、命はもらった」とベンヴォーリオを挑発する。このとき、ティボルトも剣を抜いていることは、「剣をおさめろ」というベンヴォーリオの台詞を読まずとも分かる。
 一方、キャピュレットの登場を示すト書きには、「部屋着姿の老キャピュレット...登場」とあり、舞台に登場したキャピュレットは、(夫人もしくは召使に)「わしの長剣を持ってこい」という。しかし、夫人は、「杖ですよ、杖! 剣なんかどうなさるの?」という。つまり、舞台に登場してきた時点では、キャピュレットには剣を抜いて闘う意志はなかったことが示唆されている。「刃(やいば)を振り」かざすモンタギューを見て、はじめて、キャピュレットは長剣を手にして闘う決意をするのである。Q1(1597)では、キャピュレットを演じる役者がどのような衣装を纏い、どのような格好をしているかは不明であるが、現代の折衷版では、この場面に関しては、通常、それが分かるように書かれているQ2(1599)の本文が採用されている。
 キャピュレットは、別の場面で「我々老人には争いを止めるのはさほど難しいことではない」(第一幕第二場)といい、また、別の場面では、宴会への侵入者がロミオ達の一行であると知りながら、目をつぶり、放置する(第一幕第五場)。このような言動が示す彼の気質を考えると、幕開けのシーンで凶器を振りかざすことなく舞台に登場しても不思議ではない。キャピュレットを支配する「いにしえの遺恨」の中に、彼を、モンタギューとの和解へと導こうとする精神が萌芽しつつあることを、シェイクスピアは芝居の冒頭で示しているのかもしれない。

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