《第15問》
『ロミオとジュリエット』が初演されたとき、ロンドンに存在していなかった劇場はどれか？

正解

不正解

• ローズ座 （The Rose）
• グローブ座 （The Globe）
• シアター座 （The Theatre）

• ローズ座 （The Rose）
• グローブ座 （The Globe）
• シアター座 （The Theatre）

解説

グローブ座が建設されたのは1599年。したがって『ロミオとジュリエット』の初演が行なわれたと思われる1595年頃は、この劇場はまだ存在していなかった。

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1597年頃、宮内大臣一座がその活動の拠点としていたシアター座の所有権を巡って土地の所有者との間にいざこざが生じると、一座は、カーテン座に一時的 に活動拠点を移していたが、いざこざが深刻化した翌年、一座は、シアター座を取り壊し、その材木を利用してグローブ座の建設にとりかかった。グローブ座 は、一つの劇団が所有権と経営権を有するロンドンで最初の劇場であり、一座の主要な役者達がその劇場主（householders）となった。1599年 以降、宮内大臣一座はクローブ座を活動の本拠地とした。1613年、グローブ座は『ヘンリー八世』の上演中に炎上して焼け落ちたが、翌年、再建された。
　ローズ座は、1587年にフィリップ・ヘンズローが出資して設立した劇場で、海軍大臣一座が活動拠点としていた劇場である。『ロミオとジュリエット』がこ の劇場で上演されることがあったかも知れないが、記録が存在しないので分らない（トム・ストッパード脚本・ジョン・マッデン監督の人気映画『恋におちた シェイクスピア』（1998）では、『ロミオとジュリエット』がローズ座で初演される設定になっている）。
　1599年以降に、グローブ座で『ロ ミオとジュリエット』が上演された可能性はある。というのも、シェイクスピアの芝居がクォートの形で出版された年に、その芝居が公設劇場で再演されること がよくあったからである。劇団は、自分たちのビジネスの振興に出版業者を利用していた可能性が高いということが、近年指摘されるようになった。1599年 に、「新たに改定、加筆及び修正されたもの」という『ロミオとジュリエット』の「原本」を一座が出版業者に譲渡したのは、古くなりつつあるレパートリーの プロモーションを図ろうとしたからかもしれない。

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