《第8問》
deerの原義はなんでしょうか。
正解
不正解
- 鹿
- 生き物
- 鳥
- 鹿
- 生き物
- 鳥
- 解説
-
原義は生き物一般を表していました。古英語期から中英語期にかけて、上流階級の人たちは広い野原で狩りを楽しんでいました。当時は、他の動物もいたでしょうが、鹿が多かったのでしょう。そして狩りの獲物はほとんどこの鹿だったと思います。当時の人たちはこの鹿を「生き物」と呼んでいたのでしょう。
より詳しい解説を読むやがて、いろいろな種類の動物が生息していることを知り、deer は「生き物」から「鹿」に意味が限定されていったのです。以下の例からも明らかなように、すでに deerを「鹿」の意味で使っている場合も見られます。/deer = deer any steer / To hunten at the leoun or the deer, (Chaucer The Canterbury Tales The Knight’s Tale 2149-50) (=any steer that he would use to hunt for lion or deer)「彼がライオンや鹿狩りに使う雄牛」deer= beast, animal He koude hunte at wilde deer (Chaucer The Canterbury Tales Tale of Sir Thopas 736)(=He’d hunt wild animals)「彼は野生の動物の狩りが上手だった」Horse to ride, and weapon to wear; / But mice and rats, and such small deer, / Have been Tom’s food for seven long year. (Shakespeare Lear 3.4.137-39)「馬にまたがり、腰には剣を。しかし、この7年ほどはネズミや虫が食い物だ」[small deer=小さな生き物、つまり虫]生き物を表す語にはbeastがあります。この語は古フランス語beste から英語に流入してきました。以下の例でわかるように、beastは獣一般に使われています。古フランス語からやってきた beastのために、deerは「動物一般」から「鹿」という1種類の動物に意味が限定されていきました。beast= animal (applied to the lower animals)For slayn is man right as another beest ((c1374) Chaucer The Canterbury Tales The Knight’s Tale 1309)(=for man is slain like any other beast)「他の獣と同じように人間が殺されたりしている」ny strange beast there makes a man. ((c1610) Shakespeare The Tempest 2.2.34)[makes a man=make a man’s fortune]「妙な獣さえもっていけば一財産作れる」beast= a quadruped animal (distinguished from birds, reptiles, fishes, insects, etc. as well as from man)[人間や鳥、爬虫類の動物、魚、昆虫以外の四足の獣]I am non other than a beste ((c1393) Gower Confessio Amantis 3.74)(=I am no better than a beast)「私は獣と同じだ」he spake also of beasts, and of fowl, and of creeping things, and of fishes. (1611 The Austhorized Version 1 Kings 4.33)「彼はまた獣、鳥、地を這うものや魚について話した」