《第46問》
王政復古後に活躍した人物のうち、『ロミオとジュリエット』のエンディング・シーンにおけるすれ違いの死の場面を、ロミオが死ぬ前にジュリエットが目覚めるように書き換えた最初の人物は誰か?
正解
不正解
- ウィリアム・ダヴェナント
- トマス・オットウェイ
- デイヴィッド・ギャリック
- ウィリアム・ダヴェナント
- トマス・オットウェイ
- デイヴィッド・ギャリック
- 解説
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ダヴェナントの『ロミオとジュリエット』(初演、1662)は、死の場面に変更が加えられてはいない。デイヴィッド・ギャリックの『ロミオとジュリエット』(初演、1748年)では、既に述べたように、ロミオが死ぬ前にジュリエットが目を覚ますように描かれている。しかし、トマス・オットウェイの『ケイウス・マリウス』(初演、1679)が先であった。オットウェイが原作に施した数々の「改良」(improvement) ――と、当時はこう考えられた―― のうち、エンディング・シーンの改良は、彼が最も工夫を凝らした点の一つである。それまでは、しっくりこないと考えられていた場面が、オットウェイによって上手く「改良」されたというのが、当時の劇場人達の感覚であったことは確かである。
シバーと、そして、ギャリックがこの流儀を継承し、その後十九世紀の中葉まで、『ロミオとジュリエット』のエンディング・シーンは、オットウェイのやり方に基づいて上演されていた。