《第44問》
デイヴィッド・ギャリックが最初に『ロミオとジュリエット』を舞台にかけたのはいつか?
正解
不正解
- 1744年
- 1748年
- 1750年
- 1744年
- 1748年
- 1750年
- 解説
-
ギャリックがドゥルーリー・レーン劇場で『ロミオとジュリエット』を「復活」させたのは1748年。「復活」(revival)という言葉が使われるのは、問題42の解説に述べたように、オットウェイの『ケイウス・マリウス』(初演、1679)が上演されて以来、『ロミオとジュリエット』がシェイクスピアの書いた形に忠実に上演されることは、この時期までなかったからである。
より詳しい解説を読む十八世紀の劇場において、最初に『ロミオとジュリエット』が「復活」したのは、1744年、リトル・ヘイマーケット劇場においてであった。シオフィラス・シバー(Theophilus Cibber, 1703-58)という人物がそれを手がけ、自らがロミオに扮し、娘ジェーンをジュリエット役に起用してこの企てを行った。しかし、十五歳に達しない少女を公衆演劇の舞台に登場させたことが条例に触れると見做され、わずか十回の公演の後、上演が禁止されてしまった。シバーの企てが民衆の興味を掻き立てたことに目を付けたギャリックは、シバーの脚本をさらにシェイクスピアの作品に近づけた台本を作り、1748年にこれを舞台にかけた。
この版が、俗に、「ギャリック版『ロミオとジュリエット』」と称されるものであり(原タイトルは、Romeo and Juliet. A Tragedy. With Alterations and an Additional Scene)、十八世紀の下半期だけでも450を超える上演記録がある。さらに、19世紀以降も、『ロミオとジュリエット』の上演には、長くギャリック版が底本として使われた。