リベラルアーツ英語検定クイズ英単語の歴史 > 2014年11月06日更新分(3/3)

《第13問》
girl は現代英語で「少女」の意味で用いられるようになりましたが、何によってそうなったのでしょうか?

正解

不正解

解説

人が身に着けている服装が「ひと」を表すということはよく見られる意味変化です。例えば、redcoat は文字通りには「赤いコート」ですが、この語(正確には、red とcoatの複合語)は(特にアメリカ独立戦争中の英国の兵士が赤い外套を身に着けていたことから)「英国兵」の意味になりました。

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それではなぜ男の子も女の子も表していたgirlが、同じ作品で「女の子」に限定されたのでしょう。すでに上に述べたように、‘the growing one’ とは「(子供の身に着けている)晴れ着」の意味だったようです。つまり、「(子供の)晴れ着」→「(晴れ着を身に着けた)子供」→「(男の子より女の子のほうが綺麗なものを身に着けていることから)女の子」にこの語の適用範囲が限定されて、現在の「少女、女の子」に意味変化したのです。現に、上のチョーサーからの例の ‘gay gerl’ は good-looking girl「美しい女の子」の意味で使われています。
人が身に着けている服装が「ひと」を表すということはよく見られる意味変化です。例えば、redcoat は文字通りには「赤いコート」ですが、この語(正確には、red とcoatの複合語)は(特にアメリカ独立戦争中の英国の兵士が赤い外套を身に着けていたことから)「英国兵」の意味になりました。次のシェイクスピア(William Shakespeare)からの例を見ておきましょう。
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Let the sky rain potatoes; let it thunder to the tune of “Green-sleeves,”(Shakespeare The Merry Wives of Windsor 5.5.18-19)
「ジャガイモの雨が降るがいい。緑衣の女の恋歌に合わせて雷が鳴るがいい」
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Green-sleeves は「緑のたもと」の意味ですが、これは16世紀末に大流行した、緑色の服装をしたつれない女を歌ったバラッドの曲名から出た複合語です。緑色の衣服がこれを身に着けている女の意味になったものです。

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