《第3問》
『ロミオとジュリエット』で、ロミオとジュリエットが最初に出逢い、恋に落ちる場所はどこか?
正解
不正解
- バルコニー
- 仮面舞踏会
- 森の中
- バルコニー
- 仮面舞踏会
- 森の中
- 解説
-
二人が出逢い恋に落ちるのは第一幕第五場で描かれる仮面舞踏会のシーンで、仮面をつけたままの二人は、お互いの顔を確認しないまま恋に落ちるのである。
より詳しい解説を読む二人が出逢い恋に落ちるのは第一幕第五場で描かれる仮面舞踏会のシーンである。ここで注意したいのは、二人の恋は、厳密な意味での「一目惚れ」ではないことだ。つまり、(この点は多くの芝居や映画とは違い)仮面をつけたままの二人は、お互いの顔を確認しないまま恋に落ちるのである。『夏の夜の夢』で恋人達(デミートリアスとヘレナ、ライサンダーとハーミア)がそれぞれの運命の相手と結ばれるのも、やはり真っ暗な夜の森の中であるが、どうやらシェイクスピアの想像世界では、運命的な恋人同士を結びつけるのは視覚ではないようだ。
ちなみに、婚約相手のパリス伯爵を好きになるよう、その調和のとれた顔をよく御覧なさいと母に言われたジュリエットは、「好きになれるようお目にかかってみるわ、目で見て好きになれるなら」(第一幕三場)(*)と返答する。原文は“I’ll look to like, if looking liking move”となっていて、直訳すると「もし見ることが嗜好を動かすなら(そんなことはありえないけれど)、見て好きになるよう努めてみます」となる。顔を見て好きになるということは、ジュリエットにとっては、最初から受け入れ難い考えのようだ。一方、主に視覚の導きでロザラインに惹かれていた(あるいは自分でロザラインに惹かれていると信じていた)ロミオは、ジュリエットに会うと、ロザラインへの病的な恋からすぐに醒めることになる。
*翻訳は、松岡和子訳『ロミオとジュリエット』(ちくま文庫)による。以下、引用する訳文はことわりがない限り松岡氏の訳文を拝借している。