リベラルアーツ英語検定クイズ英単語の歴史 > 2015年02月12日更新分(3/3)

《第31問》
man の元の意味は一般に何だと言われているでしょうか?

正解

不正解

解説

語根も不詳で原義についても定説はありませんが、『オックスフォード英語辞典』によりますと、インド・ヨーロピアン祖語(Indo-European)の *men- に由来すると言われています。その意味も「考える(to think)」または「息をする(to breathe)」とされています。

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これまで「ひと」に関する語について、その意味変化をみてきましたが、この「ひと」を表す英語の man は、もともとどのような意味だったのでしょうか。語根も不詳で原義についても定説はありませんが、『オックスフォード英語辞典』によりますと、インド・ヨーロピアン祖語(Indo-European)の *men- に由来すると言われています。その意味も「考える(to think)」または「息をする(to breathe)」とされています。これはラテン語の mensにも関連する語であります。この mens は「精神」という意味ですから、ここから英語の mental 「知的な、知能の」が生じています。従って、「ひと」は息をしているだけではなく考えていないと「ひと」とは認められないことになります。
このような原義を持って古英語から中英語を経て近代英語に至るまで、この man は現代英語と同じような意味で使われています。

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man = a human being
dohter wæs gehaten Ercongota halifemne & wundorlic man, þære modor wæs Sexburh Annan dohter East Engla ciningas. ((c639) Two of the Saxon Chronicles (The Lund MS.) 639) (=his daughter was called Eormengota, a holy virgin and a wonderful human being, whose mother was Seaxburh, daughter of Anna, king of the East Anglia)
「彼の娘はエオメンゴータと呼ばれた。彼女は聖女であり、立派な女性であった。彼女の母は東アングリアの王アンナの娘セアクスバースであった」

man = a person
Ne geflittes ne clioppæs ne geheres ænig mon in worðum stefn his ((c950) The Lindisfarne Gospels Matthew 12.19) (= he shall not strive, nor cry, neither shall any person hear his voice in the streets)
「彼は争わず、叫ばず、その声を聞く者は大通りにはいない」

man = an adult male person
And as a mayde for mannes loue her moder forsaketh ((c1377) William Langland The Vision of Piers the Plowman 14.264) (= just as a maiden who forsakes her mother for love for a male person)
「ひとりの男への愛ゆえに母親を見捨てる娘のように」

man = a retainer
Your worship in that sense may call him man. ((c1592) Shakespeare Remeo and Juliet 3.1.59)「そういう意見ならあいつを家来と呼べるかな」

man = a person who has human nature
Since I was man, / Such sheets of fire, such bursts of horrid thunder, / … I never / Remember to have heard. ((c1605) Shakespeare King Lear 3.2.45-48)
「私も物心のつくひとになってから、このような空一面の稲妻、恐ろしい雷の轟きを聞いたことはありません」

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