《第82問》
*He is being tall. が非文になるのはなぜでしょうか?
正解
不正解
- 主語のHe が tall 「背が高い」とは限らないから
- 自分の意思で背を高くすることはできないから
- tall には「人が背が高い」という意味以外に「草木などが丈が高い」の意味があるから
- 主語のHe が tall 「背が高い」とは限らないから
- 自分の意思で背を高くすることはできないから
- tall には「人が背が高い」という意味以外に「草木などが丈が高い」の意味があるから
- 解説
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例えば、He is being kind.は「彼は親切に振舞っている」という意味で非文ではありません。ところが He is being tall. は非文になります。これを日本語にすると「彼は背が高いように振舞っている」となり、日本語訳だけ見てみるとHe is being tall. は非文にならないようにみえます。しかし、人間の意思では実現しないような意味を持つ名詞や形容詞は be being構文の補部にはなりません。例えば、He is being a fool. 「彼はバカの振る舞いをしている」では本当はバカではないがバカのふりをすることは人間の意思で可能です。形容詞 kind の場合も本当は親切な人間でなくとも相手に親切だと思わせる言動はできます。ところが、He is being tall. では自分の意思で「背を高く見せる」ことはできません(とびきり高いヒールの靴を履くことで背を高く見せることはできますが、それは自分の意思ではなく、高いヒールの靴によるものです)。また、tall は「背が高い状態」を意味しています。このような状態を表す語は be being の補部にはなれません。つまり「非状態」で「制御可能な」名詞・形容詞のみが be being 構文の補部になることができるのです。例えば、I suppose you are being sarcastic. 「多分、皮肉を言っているのね」は可能ですが、The tree is being green. は非文になります。無理に日本語にすれば、「その木は緑色の振りをしている」ですが、green は状態を表す形容詞であり、また主語の意思でgreen の振りをすることも不可能です。(安藤 2005: 124-125参照)