《第47問》
(1) John taught Mary English. と (2) John taught English to Mary. とでは意味が違うのでしょうか。
正解
不正解
- (1) は確かに「習得した」ことを示すが、(2) は「習得した」かどうか明確ではない
- (1) も (2) も全く同じ意味である
- 文体的相違はあるが意味は同じである
- (1) は確かに「習得した」ことを示すが、(2) は「習得した」かどうか明確ではない
- (1) も (2) も全く同じ意味である
- 文体的相違はあるが意味は同じである
- 解説
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(1) も (2) も「ジョンがメアリーに英語を教えた」という意味ですが、厳密に言うと、(1)と (2) では意味が異なります。
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(1) は Mary が間接目的語になっている構文です。この場合は、メアリーはジョンに英語を教えてもらい、その結果彼女は英語を習得したことを意味しています。一方、(2) では Mary が前置詞 to の後にきています。前置詞の to は方向を表しているだけですから、メアリーが「英語を習得した」かどうかははっきりしません。「習得した」かもしれないし、「習得しなかった」かもしれないのです。この意味の違いを池上『英語の感覚・日本語の感覚』(2008: 77-80)に基づいて証明しておきます。次の文を見てみましょう。
(1’) *John taught Mary English, but she didn’t master it at all.
(2’) John taught English to Mary, but she didn’t master it at all.
(ジョンはメアリーに英語を教えたがが、メアリーは英語を習得できなかった)
(1) の文に but 以下の文を付け加えるのは不自然ですが、(2) は極めて自然な文となります。
このようなことは次の文にも言えます。
(3) John showed Mary a photo.
(4) John showed a photo to Mary.
「ジョンはメアリーに写真を見せた」のですが、(4) ではメアリーが実際に写真を見たかどうかは明確ではないと言えます。つまり、ジョンが「メアリーの方向に写真を見せた」時、例えばメアリーは何かに夢中で写真を見ていない可能性もあるのです。