リベラルアーツ英語検定クイズカズオ・イシグロ > 2016年03月03日更新分(1/1)

《第5問》
『日の名残り』からの問題である。ダーリントン・ホールでのスティーブンスの勤続年数は次のうちのどれか?

正解

不正解

解説

スティーブンスによれば、彼がダーリントン卿に仕えた年数は35年である(“I gave thirty-five years’ service to Lord Darlington” 133)。(P1)その少し前で語られる旅路についての回想シーンで、自動車の故障が原因で立ち寄った屋敷の運転手(専属の運転手ではなく、人員不足のため執事・従者・掃除夫を兼務している)との会話で、スティーブンスはダーリントン卿が3年前に没するまでダーリントン・ホールは卿の住まいであったと述べている(P126)。ということは、スティーブンスはダーリントン・ホールで計38年働いているということになる。つまり、執事としてのキャリアの大半をダーリントン・ホールで過ごしてきたのである(ただしスティーブンスが現在何歳であるかは不明である)。もっとも、若かりし頃はさまざまな屋敷を転々としていたようである(P122)。そんなスティーブンスがダーリントン・ホールで雇われるようになってからは他の屋敷に目移りすることなく卿に仕えつづけたのはなぜなのか。これはのちの問題で考えてみたい。

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(1)引用はKazuo Ishiguro, The Remains of the Day, 1989, London: Faber, 1990による。以下、括弧内の数字はページを表す。

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