《第11問》
『ロミオとジュリエット』を上演するとき、同じ役者が演じることができる登場人物はどの組み合わせか?
正解
不正解
- マキューシオ/パリス
- キャピュレット/僧ロレンス
- ティボルト/エスカラス
- マキューシオ/パリス
- キャピュレット/僧ロレンス
- ティボルト/エスカラス
- 解説
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第一幕第五場(仮面舞踏会のシーン)に、マキューシオとパリスの両者が揃って舞台上に存在するシーンがあるが、マキューシオは「仮面をつけた客」の一人として登場するし、また、一言も台詞がないので、このシーンでは他の役者による代役が可能である。
より詳しい解説を読むb) キャピュレット/僧ロレンス、c) ティボルト/エスカラスの各組み合わせは、同時に舞台に登場しなければならない場面があるので、一人の役者が演じるのは不可能である。一方、a) マキューシオ/パリスの場合は、可能である。第一幕第五場(仮面舞踏会のシーン)に、マキューシオとパリスの両者が揃って舞台上に存在するシーンがあるが、マキューシオは「仮面をつけた客」の一人として登場するし、また、一言も台詞がないので、このシーンでは他の役者による代役が可能である。一方、パリスを演じる役者(この人物が仮面をつけているかは不明である)は、「賓客の男女」(All the Guests and Gentlewomen)の一人として登場している筈だが、第一幕第五場の最後まで舞台上にいなければならない理由はない。つまり、第二幕第一場の冒頭から、この役者がマキューシオに扮して登場するのは可能だということだ。
シェイクスピアの芝居では、しばしば一人の役者が二役かそれ以上を演じることが可能である。役者の数は可能な限り少ない方が、コストが削減できるというわけだ。初演の頃の上演方法については、資料が現存しないのでよく分からないが、今日の上演では、一人の役者が何人かの登場人物を演じることがよくある。また、そうした演出によって、芝居に新たなインパクトが生じることもしばしばある。