リベラルアーツ英語検定クイズロミオとジュリエット > 2015年08月20日更新分(1/3)

《第55問》
大学でシェイクスピアを講じた最初の人物は誰か?

正解

不正解

解説

スコットランドのグラズゴー大学で哲学を教えていたリチャードソン(William Richardson)は、すでに、1770年代には、大学でシェイクスピアを講じていた。その講義に基づく著書、『シェイクスピアの主要な登場人物の性格に関する哲学的分析と解明』が1774年に出版され、後に話題を呼んだ。リチャードソンの研究で興味深い点は、当時、イングランドでは十分に受け入れられていなかったエディンバラの哲学者デイヴィッド・ヒューム(David Hume, 1711-76)の考えを援用し、登場人物の元々の性格が経験によって変容して行く過程を解明しようと試みた点である。これが、リチャードソンの言う「哲学的分析」('philosophical analysis')である。リチャードソンは、シェイクスピアの人物研究を「哲学」として講じていた。

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同じ頃、イングランドはサミュエル・ジョンソンの時代であった。しかし、ジョンソンの頃は、シェイクスピアに関する研究は、まだ「哲学的」な興味にこたえ得る話題として大学で講じられることはなかった。イングランドのシェイクスピア研究において「哲学的」な探求がなされるようになったのは、十八世紀末から十九世紀初頭にかけてである。コールリッジ(Samuel Taylor Coleridge, 1772-1834)が王立哲学院(Royal Institution)において、「哲学的な分析」('philosophic analysis') をその主要テーマの一つとする講演を行ったのは、十九世紀であった。
 『シェイクスピアの悲劇』(Shakespearean Tragedy, 1904)として有名なブラッドレー(Andrew Cecil Bradley)は、二十世紀初頭のシェイクスピア批評を牽引した人物である。

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