《第60問》
『ゲンのいた谷』(長崎源之助/作 実業之日本社ほか)は、土蔵の壁に描かれた落書きの怪獣ゲンが、自分を描いた少年の戦争(疎開)体験を語るという形式の戦争児童文学である。さて、ゲンはあるものをがつがつ食べたのだがそれは何か?
正解
不正解
- 子どもたちの悩みや悲しみや、怒りや涙やシラミの血
- 疎開児童たちが村からくすねてきた、芋や柿のヘタ
- 腹を空かせた少年が描いた、様々な食べものの落書き
- 子どもたちの悩みや悲しみや、怒りや涙やシラミの血
- 疎開児童たちが村からくすねてきた、芋や柿のヘタ
- 腹を空かせた少年が描いた、様々な食べものの落書き
- 解説
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戦後25年経ち、息子の幹男がその頃の自分の年になったのをきっかけに、いっしょにかつての疎開先を訪れると、疎開中に土蔵の壁に 描いた落書きの怪獣ゲンが、幹男を、自分を生み出した少年と間違えて話しかける。ゲンの口から語られたのは「スパイの子」だから「うめぼし(=すっぱ い)」とあだ名された少年時代の父の悲しい戦争体験だった。1968年の出版当時、すでに戦後生まれの子どもたちへ戦争を伝えることの難しさが問題となっ ていた。非体験世代への伝達のためにファンタジックな手法を取り入れた、戦争児童文学の古典的作品の一つである。