《第36問》
芥川龍之介作「魔術」の主人公は、雨の降る夜、魔術の大家ミスラを訪ね、その不思議な術を教えてもらうことになる……。魔術を習って1カ月たったと主人公が思っていた時間は、実際はどれくらいの間だったか
正解
不正解
- マッチをすって炎が上がる一瞬の間
- 指にはさんだ葉巻の灰も落ちない2、3分の間
- 紅茶のお代わりを召し使いのおばあさんが持って来る間
- マッチをすって炎が上がる一瞬の間
- 指にはさんだ葉巻の灰も落ちない2、3分の間
- 紅茶のお代わりを召し使いのおばあさんが持って来る間
- 解説
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「羅生門」「藪の中」などで有名な小説家・芥川龍之介は、鈴木三重吉に頼まれて、その主宰する雑誌『赤い鳥』に童話を書いている。「魔術」(1920年1月号)のほかに「蜘蛛の糸」「犬と笛」「杜子春」「アグニの神」の5編が掲載された。1918年に「奉教人の死」を発表し、充実した作家生活を送っていた時期の作品である。文章の巧さにまるで魔術にかかったように魅せられる、たとえ結末がわかっていても。雨の夜、人の心の不思議に思いを馳せながら、しずかに読みたい本である。