《第42問》
『口で歩く』(丘修三作 立花尚之介絵 小峰書店 2000年刊)の主人公は重度の身体障害があり、歩くことができない。さて、晴れて気持ちのいい朝、主人公は「口で歩いて」友だちの家まで行くことにする。どうやって? もちろん、逆立ちして、ほんとうに口で歩くわけではない。
正解
不正解
- キャスター付きのベッドに寝て、通りかかった人に頼んで押してもらう
- 電動車椅子のリモコンを、口を使って動かす
- 登録しているボランティアたちに電話をかけ、友だちの家まで送ってもらう
- キャスター付きのベッドに寝て、通りかかった人に頼んで押してもらう
- 電動車椅子のリモコンを、口を使って動かす
- 登録しているボランティアたちに電話をかけ、友だちの家まで送ってもらう
- 解説
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いわばヒッチハイクである。通りかかった人に「口で」頼んで、その人の行くところまで押してもらう。それからまた通りかかった人に頼む。びっくりされたり、いやがられたり、障害者は家にいろと説教されたり、とんでもないところまで押して行かれたり。でも親切な人もいる。そんな出会いを楽しみながら、友だちの家まで「歩く」……町の中にはいろんな人がいる、障害者も健常者もそれぞれの悩みをかかえながら生きている、ということをさりげなく描いた佳品。産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。著者のデビュー作の短編集『ぼくのお姉さん』(偕成社 1986年刊)も鮮烈な印象を残す。他に『少年の日々』『ワンピース戦争』など。現在、大長編『生きる』を執筆中(5巻まで刊行)。