《第37問》
昭和10年~15年の東京を舞台に、腕白坊主の小学生が生き生きと動き回る『のんカン行進曲(マーチ)』(寺村輝夫作 理論社 1987年刊)。この長編の主人公は作者がモデルになっている。さて、題名の「のん」と「カン」の意味は何か。
正解
不正解
- 缶蹴り遊びはノン(Non)
- のんちゃんとカン君
- のんきなカンちゃん
- 缶蹴り遊びはノン(Non)
- のんちゃんとカン君
- のんきなカンちゃん
- 解説
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主人公の名前はカンロク。宿題よりも遊ぶことが大好きで、のんきなカンちゃん=のんカンと呼ばれていた。父は軍艦マーチの替え歌で励ます。「いざ行け、のんカン。おまえの行くてに、敵はなし」と。あとがきによれば、兵隊さんにあこがれた少年は海軍の航空兵に志願し、入隊して特攻隊員となり、敗戦を迎える──それから50年、「書かねばならないと思いつづけて」いたと。「この物語に描かれる少年」が受けた「思想、教育は、いけないことであり、まちがっていた」ことを戦後になって知らされた。しかし「世の中は、いけないことのまちがいを、はっきりと改めたであろうか」と作者は問いかける。「王さまシリーズ」でナンセンス童話のジャンルを切り開いた寺村輝夫のこの真摯な問いかけに我々は答えることができるだろうか。この物語が出版されてさらに20年以上経過している今……