リベラルアーツ子ども検定クイズ児童文学 > 2015年12月10日更新分(1/1)

《第69問》
『ムルガーのはるかな旅』(ウォルター・デ・ラ・メア/作 脇明子/訳 岩波書店)は冒険ファンタジーだ。母が死の間際に言い残した言葉に従っ て、父の故郷ティッシュナーをめざす旅に出たサム、シンプル、ノッドの兄弟。さて、この3兄弟は人間ではなく、ムルガーだ。では、ムルガーとは何者か?

正解

不正解

解説

ムルガーとはサルのこと。『サル王子の冒険』という題で訳されたこともある。ムルガー語や暦なども創生したこの壮大な物語は、『ホビットの冒険』よりも20年以上も前に出版され、高い評価を得て いた。ラジオドラマやテレビアニメになった『ヤン坊ニン坊トン坊』(飯沢匡〈いいざわ・ただす〉/作)はこの作品からヒントを得ている。
20世紀前半のイギリスを代表する詩人であり、小説家であったウォルター・デ・ラ・メアは、子ども向けの詩集や短編もたくさん残しているが、子ども向けの長編は この1冊のみ。豊かな想像力や詩人独特の繊細な言葉づかいは翻訳しにくく、時に難解となるが、もっと紹介されてもよい作家である。

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