Notice: Undefined variable: filter_strings in /home/la-kentei/www/la-kentei.com/COMMON/INC/def.php on line 935
すべての問題にチャレンジ!(1/100) | 英語の不思議 | リベラルアーツ英語検定クイズ

リベラルアーツ英語検定クイズ英語の不思議 > すべての問題にチャレンジ!(1/100)

《第1問》
イギリスに最初にあった文字は何でしょうか。

正解

不正解

解説

はじめに
 本格的に英語を習い始めるのは中学からですが、英語には多くの人たちがなぜかと疑問を抱くことがあると思います。これらの疑問を発音・形態の章、文法・意味の章、その他の章に分けて解決したいと思います。三つの章に分けていますが、問題によってはそれぞれの章に関連する場合もあります。なお、言語的違いから古英語 (Old English) は700-1100年、中英語 (Middle English) は1100-1500年、近代英語 (Modern English) は1500年以降と区分することにします。

問題1の解説
 アルファベット(Alphabet)はイギリスに最初からあったのでしょうか?
 イギリスで最初に用いられていた文字はルーン文字(rune)と呼ばれるものです。この rune の原義は「ささやき」→「秘密」という意味です。書かれたもの(つまり「文字」)は少数の人たちにしか理解できない秘密であったからです。
 ところが597年にローマからやってきた聖アウグスティヌス(Saint Austin)らの一行がイングランド南西部のケント(Kent)に上陸しキリスト教の布教を始めました。この時、彼らは同時にラテン文字、つまりローマ字をもたらしました。

より詳しい解説を読む

 ただし、当時のローマ字は現代英語の26文字すべてを持っていたわけではありません。従って、彼らはアングロ・サクソン人が使っていたルーン文字のうちの2文字だけはそのまま用いていました。
 その2文字とはソーン(thorn [θɔ:n])と呼ばれる þ とウィン(wynn [wün])と呼ばれる ƿ です。
 この þ は [ θ ] と [ ð ] という音を表し近代英語では th と綴られています。また ƿ は [ w ] という音を表していました。
 ルーン文字ではありませんが、[ æ ] という音を表すために æ という文字(アッシュash [ æʃ ] と呼ばれています)が使われていました。これは a と e を組み合わせた合字または抱き字(ligature)と呼ばれるものです。さらに ȝ (ヨッホ〈yogh [ jᴐx ] 〉と呼ばれています)と ð (エズ〈eth [ eð ]〉と呼ばれています)という文字がありました。従って、古英語では次の文字が使われていたことになります。なお、ȝ は g とほとんど同じです。ただ、音としては [ g ]、[ j ]、[ y ] などを表しています。

 a、b、c、d、e、f、ȝ、h、i、l、m、n、o、p、r、s、t、þ、ð、u、ƿ、x、y

ここには現在の英語に見られる j、k、q、v、w、zの文字が見当たりません。これらの文字はどうしたのでしょうか?
 j は i の文字の下を伸ばした文字です。
 k は c によって代用されていました。c という文字は [ k ] という音も表していたからです。例えば、古英語には cyning(=king)という語があります。この語の発音は 「キニング」 [ kiniŋ ] です。ところが、1066年のノルマン人による英国征服 (Norman Conquest) の後、古フランス語 (Old French) の綴り字の影響で c は [ s ] という音を表すようになります。例えば、city(古フランス語およびフランス語では cite [site])の発音は [ siti ] となりました。
 古英語に q はなぜないのでしょうか。q の音は [ kw ] です。古英語では [ kw ] の音を表す綴り字として cw が使われていました。例えば、cwen「女王」、cwic「早い」のように。この綴り字 cw もノルマン人による英国征服以降、フランス語の影響で qu または qw に取って代わられたのです。従って、cwen は qween に、cwic は quick になったのです。
 v は u が代用を務めていました。例えば、数字の五は古英語では fif [フィーフ] と綴ります。この fif を five apples 「5つのリンゴ」のように複数に用いると、古英語では複数語尾の e が付加され fife となります。二番目の f は [ i ] と [ e ] という母音の間にある場合は [ v ] という音になりました(古英語、中英語では発音は綴り字通りでした)。これにより、中英語になると二番目の f が v という綴り字になったのです。
 w は u をダブらせて uu と表記しました。u が二つだから double ‘u’、ダブリュー[dʌblju:] と呼ばれるようになります。
 古英語では [ z ] という音を表す文字はありませんでした。v と同じように有声音の間に置かれた場合に s が [ z ] となりました。例えば、現代英語の lose 「失う」は古英語で losian [ロジィアン] でした。z という文字が正式に英語に現れるのは13世紀頃からです。

戻る 次へ